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看護実習初日の目標の立て方|例文つきでわかりやすく解説

例文を探してみても、自分にぴったり当てはまるものはなかなか見つからないものです。かといって、少し言い換えてみても、どこかしっくりこない。
「本当にこれでいいのかな」と不安になりますよね。

実習初日は、実習の流れも患者さんのこともまだよくわからない状況で目標を立てなければならないので、難しく感じるのは当然のことです。

この記事では、自分の実習に合った目標を立てるための考え方を、例文も交えながらわかりやすく解説します。
読み終えるころには、「こう考えれば、自分でも書けそう」と感じられるはずです。

どの領域の実習にも使える考え方なので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目標を立てる前に知っておきたいこと

看護実習で目標を立てることには、どのような意味があるのでしょうか。
ここでは、目標がある場合とない場合を比べながら、目標設定が実習にどのような違いをもたらすのかを見ていきましょう。

実習で何を意識して学べばよいかがわかりやすくなる

目標がないと、実習中も「何となくやっている」感覚になりがちで、何のために動いているのかが曖昧なまま時間が過ぎてしまいます。
一方、目標があると「どこを目指すのか」が明確になり、一つひとつの行動に意味を持ちやすくなります。

学ぶ内容の優先順位を整理しやすくなる

目標がないと、観察・ケア・記録・報告など次々とこなすことに精一杯になり、「忙しかった」という印象だけが残りやすいものです。
一方、目標があると、限られた時間の中で何を優先して学ぶべきかが整理しやすくなり、実習中の行動に目的を持ちやすくなります。

観察や行動に目的が生まれ、学びを深めやすくなる

目標がないと、患者さんへの関わりやケアが「やるべきことをこなす」だけになりがちです。
一方、目標があると、「なぜそれを行うのか」「何を確認すればよいのか」を意識しながら実践できるため、一つひとつの経験が学びとして深まりやすくなります。

自分の課題や身につけたい力を整理しやすくなる

目標がないと、自分の苦手なことや伸ばしたい力が漠然としたままで、実習中も何を意識すればよいのかがわからなくなりがちです。
一方、目標があると、「どのような力を身につけたいのか」「どこに課題があるのか」が整理され、実習中に意識すべきことが具体的に見えてきます。

振り返りや自己評価が行いやすくなる

目標がないと、実習後に「今日も大変だった」と感じるだけで、何を得られたのかが見えにくくなります。
一方、目標があると、「何ができたのか」「何が十分ではなかったのか」を目標に照らして整理しやすくなるため、自分の成長や今後の課題も具体的に見えてきます。

指導者から助言やフィードバックを受けやすくなる

目標がないと、指導者も学生が何を意識して実習に取り組んでいるのかを把握しにくく、助言もどこに向けていいかが曖昧になりがちです。
一方、目標があると、自分が何を意識して実習に取り組んでいるかが指導者に伝わりやすくなり、できている点や改善すべき点について具体的なフィードバックを受けやすくなります。

達成感が自信や次の学びにつながる

目標がないと、実習をこなすことに追われるだけで、自分が成長していることに気づきにくくなります。
一方、目標があると、小さな達成にも気づきやすくなり、「できた」という実感が自信となって次の実習や新たな課題にも前向きに取り組む力になります。


このように、目標があるかどうかで、「何となく終わってしまった実習」になるか、「たくさん学べた」「成長できた」と感じられる実習になるかが大きく変わってきます。

目標は「書かなければならないもの」ではなく、自分の実習をより充実させるための道具といえます。
だからこそ、例文に頼りすぎず、自分に合った内容を考えて立てられるようになることが大切です。

実習目標と行動目標の違い

看護実習の目標には、「実習目標」と「行動目標」の2種類があります。

実習目標とは、実習を通して学生たちにどのような力を身につけてほしいかを学校が示した目標です。
学校で配布されるシラバスや実習要項には、実習で学ぶべき「目的」と、その目的を達成するために何が実践できるようになるべきかを示した「目標」が記載されています。
学生はまず、このシラバスや実習要項に記載された実習目標を確認することが、目標設定の出発点になります。

一方、行動目標とは、学生自身が立てる目標です。
実習目標を踏まえたうえで、「今日は何をするのか」「何を意識して行動するのか」を具体的に示したもので、実習目標を日々の行動に落とし込んだものといえます。

この2つは、学校が示した実習目標という大きなゴールに向かって、学生が行動目標という日々の一歩を積み重ねていくという関係にあります。
行動目標を意識して実習に取り組むことで、「今日やったことが、実習目標のどこにつながっているか」を感じながら学びを深めやすくなります。

看護目標との違い

実習中に立てる目標として、「看護目標」という言葉を耳にすることもあるかもしれません。
しかし、看護目標は実習目標・行動目標とは位置づけが異なります。

看護目標とは、患者さんの回復や生活の質向上に向けて、看護の方向性やゴールを明確にしたものです。
実習目標・行動目標が「学生自身の学びのための目標」であるのに対し、看護目標は「患者さんのための目標」という点で大きく異なります。

看護実習の初日の目標の立て方

実習初日は、患者さんのことも病棟の流れもまだわからない状態で目標を立てなければなりませんが、次のSTEPに沿って進めていけば、自分でも書けるようになります。
難しく考えすぎず、一緒に取り組んでみましょう。

STEP

実習目標を確認する

はじめに、シラバスや実習要項に記載されている実習目標を確認します。
実習目標の達成度は成績評価にも大きく反映されるため、実習開始までに必ず目を通しておきましょう。

STEP

実習初日は「知ること」を目標にする

実習初日は情報収集がメインになります。そのため、「できるようになること」よりも「知る・把握する・確認すること」を中心に考えると、目標を立てやすくなります。

実習初日の目標は「実習目標を達成するために必要な情報を知ること」と押さえておきましょう。

STEP

実習目標を達成するために必要な情報を整理する

実習目標を確認したら、その目標を達成するために「どのような情報が必要か」を考えます。
「この目標を達成するには、まず何を知る必要があるか」という視点で考えてみましょう。

実習目標ごとの必要な情報の例を参考にしてみてください。

実習目標の例必要な情報の例
対象者の生活の場を理解する病棟の概要・構造・設備・病棟の日課など
看護過程を展開し、対象者のニーズに応じた看護援助を実践できる患者さんの症状・治療・検査データ・現在行われている処置や看護援助など
看護チームの機能と役割を理解し、チームの一員としての責任ある行動がとれる病棟スタッフの役割・勤務形態・看護体制など
STEP

情報が得られる場面を考える

STEP3で考えた情報が、その日の実習の「どの場面で得られるか」を考えます。

実習初日に予定されていることが多い場面と、そこで得られる情報の例を参考にしてみてください。

場面得られる情報の例
病棟オリエンテーション病棟の概要・構造・設備・病棟の日課・病棟スタッフの役割・勤務体制・看護体制など
電子カルテからの情報収集患者さんの症状・治療・検査データ・現在行われている処置や看護援助など
患者さんへのあいさつ患者さんの表情・顔色・呼吸状態・姿勢・動作など
STEP

テンプレートに当てはめて文章を作る

STEP1〜4で整理した内容を、次のテンプレートに当てはめます。

実習初日の目標テンプレート

【実習目標】を達成するために、【情報が得られる場面】を通して【必要な情報】について知る(情報収集する/把握する/確認する)

文末は「知る」のほか、「情報収集する」「把握する」「確認する」などに置き換えてもかまいません。
ただし、「頑張る」「意識する」のような表現は達成できたかどうかが判断しにくいため、実習後に振り返りやすい(客観的な)表現を選ぶようにしましょう。

STEP

文章を整えて完成させる

テンプレートに当てはめた文章を読み返し、言い回しを自然に整えます。
「〜するために」「〜を通して」「〜について知る」の流れがつながっていれば完成です!

例1

【実習目標】対象者の生活の場を理解する

対象者の生活の場を理解するために、病棟オリエンテーションを通して病棟の概要・構造・設備・病棟の日課について知る。

例2

【実習目標】看護過程を展開し、対象者のニーズに応じた看護援助を実践できる

看護過程を展開し、対象者のニーズに応じた看護援助を実践するために、電子カルテの閲覧・患者さんへの挨拶を通して患者さんの症状・治療・検査データ・現在行われている処置や看護援助について知る。

例3

【実習目標】看護チームの機能と役割を理解し、チームの一員としての責任ある行動がとれる

看護チームの機能と役割を理解するために、病棟オリエンテーションを通して病棟スタッフの役割・勤務形態・看護体制について知る。

まとめ

実習初日は、「実習目標を達成するために必要な情報を知ること」をゴールにして、自分の実習目標と照らし合わせながら、一つひとつ整理していきましょう。
例文に頼りすぎず、自分の言葉で目標を立てられるようになると、実習で何を意識して行動すればよいかが明確になり、自信を持って実習に臨みやすくなります。

もし、ここまで読んでも「やっぱり一人では難しい」「自分の実習にどう当てはめればいいかわからない」と感じたときは、あこ先生の個別サポートで一緒に整理していくこともできます。
必要なときは、ぜひ活用してみてくださいね。(お問い合わせページからご相談ください)

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